音楽療法士 郡(こおり)さん(写真左)は音楽大学楽理課で民族音楽について学んだ。その後、 高齢者の方たちが歌を楽しまれている様子を見て、自分もやってみたいと、 10年ほど音楽療法士として活動している。 音楽は脳の活性化に大変効果がある。 音楽をきっかけに自分の人生を振り返りかえり、 歌詞を目で見て、心で感じ、肺で呼吸し、口を使い、声を出し、体全体で表現する。 今日はヨコタホーム利用者の皆さんの目や耳や手など多くの 歌と関連して、ウクレレを見て、触って、音を出してもらう。 楽器を自分の手で動かし、波の音を出してもらう。皆さんで楽しいひと時を共有する。
「高齢者の中には反応を示さない人もいるようですが」、という質問に 「全く聞いておられないように見えて、そうでもない。 黙っているだけで、聞いている。 時々口が動く。後から歌って下さることもある。」と答えてくれた。 心理的なサポートを大切に考えている。 苦しみは一時的にでも忘れて、楽しく過ごしてほしい。 皆さんの社会性は高く、お元気だったころの姿が彷彿とされ 柴野さんは3歳の時からピアノを習い、高校を卒業する時に音楽の仕事に携わりたいと思った。 音楽療法士の資格を取るために日本大学芸術学部で音楽療法を専攻した。 卒業後、療法士として活動を始めた。 この日は、ヨコタホームの2階で懐メロや童謡・唱歌を一緒に歌った。 事前にその時の季節やテーマに合わせて歌を選ぶ。 利用者の皆さんに詩について感じたことをうかがう。そして質問する。
歌に関連した出来事や思い出を聞く。 皆さんの名前を憶えていて、一人一人に歌いかけたり、声をかけ 大学で学んだことだけでは十分でなく 病気や障害のことなど、実際に現場に出てみて学ぶことは多い。 聞いて癒されるという形だけでなく、参加して癒される方法もある。 音楽療法に対する理解はまだまだ進んでいない中、 好きだから続けられると話してくれた。 |