利用者の話に耳を傾ける木村さん


       

木村さんは、若いころ養蜂(ようほう)の仕事(養蜂とは、ハチミツあるいはミツロウや花粉をとるために蜜蜂を飼育すること)4年ほどしていた。養蜂の仕事は広大な土地があれば一か所にとどまってできるが、日本のような場所では移動しながらの仕事となる。日本を横断しながら養蜂の仕事をしていた。

家庭の事情と性格も関係してか古本屋を30年ほど前に始めた。福生市には7件ほど古本屋があったが、現在は数件しか残っていない。時代の流れの中で最近はネット販売の日本の古本屋(合同で600万点。ほしい本が見つかる。買える。)に参加している。 

傾聴ボランティアを始めたのは、2年ほど前から。もともとしゃべるのが得意でなかったが、聞き役が大切だと感じていた。

以前から興味があり、傾聴のボランティアについては福生市の広報に載っていたのを覚えていて、状況が許すのを機に市役所に電話した。その後講座を受け、ハピネスに所属して傾聴ボランティアをするようになった。 

傾聴とは話す人の言葉にしっかりと心を込めて 耳と目をフルに活用して寄り添い、ありのままを受け止めてお話を聞くこと。人は誰でも悲しい、苦しい、辛い、寂しい、そして嬉しい、楽しいとき誰かに話を聞いて欲しいと心の奥で望んでいる。そうした方々のために傾聴というボランティアが生まれた。

聞き手の心構えについて、「基本は自分の意見を控えることと相手の気持ちに寄り添うこと」です。 

「傾聴は受け身のボランティアですが、話し手の埋もれたままになっていた記憶が、話しているうちによみがえってきて、生き生きとしてくるのを見るという機会を幾度も経験させていただきました。個人的なことですが以前は人前になど出ない性分でしたが、好きなハーモニカの演奏もするようになりました。ボランティアをすようになってよかったと思います」と話した。