本人の願い、家族の思い

 サービス利用者本人には、これまでに歩まれた人生が確かに存在していますし、これは誰にも変えることのできない、本人自身の生きてきた証であって宝物です。

 平和な世の中に、のほほんと生きてきた私たちが経験したこともないような壮絶な悲しみや苦しみ、痛みと苦労、その中にあってのささやかな喜びや小さな幸せ・・・。

 自分の生活を犠牲にしてまでも守り抜いた子供や家族の存在・・・。

 ここに至るまでにたくさんの得たものもあれば失ってきたものも多くあって、そんな中で、笑ったり泣いたりしてここまで生き抜いてきた・・・。

 本音を言えば、本当はいつまでもいつまでも大切な人と自宅で一緒に健やかに暮らしていたかった。

 しかし、疾病等何らかの理由で今までのような生活ができなくなくなり、生き抜いていくための方法の一つとしてサービスの利用に至った。

 私たちは、この部分を決して忘れてはいけないと思います。

 人生の中で様々なものを失い、その権利が脅かされている利用者本人に対して私たちは何ができるのでしょうか。

 利用者本人に、「かけがえのない大切な存在として守られている」と実感していただくために何をすべきなのでしょうか。


生活を支えるプロフェッショナルの義務と責任、専門性と誇り

 私たちは介護サービスのプロとして、利用者本人の人生の中に参加をさせていただき、その権利を守ることに関わらせていただいています。

 利用者本人が人生を終えるその瞬間に、かけがえのない大切な存在として守られていた、最後まで良い人生だったと思えるのか否かは私たちにかかっているといっても過言ではありません。

 私たちが利用者一人一人に向き合い、かけがえのない大切な存在として理解し、
それを専門的な介護サービスに具現化できた時に、     

    「あなたに介護してもらいたい」

    「あなたの介護が受けられてよかった」

    「自分の人生にあなたがいてくれて本当に良かった」

 と思っていただけるのではないでしょうか。

 かけがえのない大切な存在を守り抜くための介護サービスの向上に対する努力は、
私たち介護サービス提供者の義務と責任であると考えられます。

 そして、その努力の積み重ねが 「かけがえのない大切な存在として守られていた」
 「最後まで良い人生だった」といった利用者本人の実感につながっていくと思われます。

 これは、私たち介護サービス提供者にとっての専門性であり誇りなのではないでしょうか。


                             相談員 飯田直喜




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