〜利用者(お客様)としての言葉使いをしましょう〜 利用者に対して敬語を使っていますか? 苗字で呼んでいますか? 職員間でも苗字、または役職名で呼んでいますか? 信頼関係ができたと思い込み、入職時と比べて言葉遣いが乱れてはいませんか。 施設の新人職員の言葉の乱れは、本人が悪いのではなく、先輩を真似る、取り巻く環境によって起きていることが圧倒的に多いです。 施設に多い言葉の虐待 「施設症」の第一歩です。
・一人前の大人として対応しなくなること。 ・環境によって悪いことが悪くないと思い込み、マヒすることをいいます。 例 食事量を制限する。食事介助を途中でやめてしまう。 ⇒次の業務に支障をきたすから、時間がないから。 例 昼食介助時に食べこぼした衣類の着替えを怠る。 ⇒午後入浴だからその時に着替えるからいいや。
⇒パット(おむつ)交換の人は大勢いるし、今日は職員が少なくいつもより忙しいから 1回くらい忘れることがあっても仕方がないさ。 エスカレートしてくると、人⇒物扱いになる。 濡れ座布団に長い間おしりと漬けていることになる。非常に不快で屈辱的。 そこまではないにしても・・・・・ 例 移乗介助時に「よいしょ」と掛け声をかけて行った。 ⇒介助者の何気ない言葉が、利用者からすると「私って重たいんだ」と傷つけることになります。 例 食事途中で手が止まっていたので「まだ食事が残っていますよ」と声掛けをおこなった。 ⇒残り物を勧められているようで、嫌な気持ちにになった。食べる気がしなくなった。 例 別件で用事を頼まれた。 ⇒忙しかったので「少々おまちください。」と答えたが、後に忘れて行かなかった。 約束したことを、結果的に無視したことになります。 あってはならないことです。約束を破ったら、怒りますよね。約束を忘れないこと、いつ対応できるかしっかりと伝えることが必要です。 例 「寒いのでひざ掛けを取ってきてください」と頼まれた。 ⇒「わかりました。私が持ってきてあげますね」 恩着せがましく、「やってやってる」ととらえられる。 例 歩行が不安定で、過去に転倒歴のある利用者が立ち上がった。 ⇒「危ないから座ってください。」 これは介護者都合の声掛けです。利用者はもぐら叩きのように座らされただけ、勿論、納得はしない為、再び同じ行動をとります。結果、行動がエスカレートし、お互いにストレスになる。 行動を封鎖することは、人にとって非常に屈辱! ⇒利用者は決して危ないことをしようとして立ち上がるわけではなく、何か利用があって立ち上がったのでは?と考えることが重要です。 ・トイレに行きたいのかな? ・家が心配になり帰ろうと思っているのかな? ・ふと、昔に戻り仕事をしなくてはと思ったかな? ・座りなおそうとしているのかな? 声掛けは「どうされました、どちらに行かれますか」と、利用者の行動を否定するのではなく、受け止める、傾聴する対応が必要です。 なぜ立ち上がったのだろうか?と考えることが介護職としての醍醐味、やりがいではないでしょうか。 施設利用者の約8割は、何かしらの認知症を持っているといわれています。認知症が進行するほど、ことばでの表現ができなくない、その分自分を伝えるための手段として行動に現れます。徘徊や帰宅要求も自分を守る行動の一つです。行動の背景には、理由、根拠があり、それを追及することが大事です。 こうしたら自分はうれしい、こうしたら悲しい、辛いなど、されたら嬉しいこと、嫌なことは皆同じです。人生最後の地として選んだヨコタホームで、物扱いされ、縛られて、亡くなっていくとしたら、人一人の人生としてとても悲しいことです。 またケアで困ったことがあったら、自分一人で苦しんでいないで、悩みを聞いてもらったり、相談をしたりして、解決へ繋げることが、身体拘束・虐待ゼロとなり、良いケア、プロフェッショナルな介護者、良い職場になると考えます。 |